@misc{oai:nipr.repo.nii.ac.jp:00014123, author = {大島, 長}, month = {Feb}, note = {大気中の多くのエアロゾル成分は太陽放射を散乱する特性のみを持つのに対し、ブラックカーボンは太陽放射を効率的に吸収する。また、ブラックカーボンは雪氷上に沈着することにより、氷床等の融解を促進する可能性がある。このためブラックカーボンが気候システムに果たす役割は非常に重要であると認識されている。しかしながら、従来の気候モデルによるブラックカーボンの空間分布や放射効果の推定には、未だ大きな不確定性が含まれている。 気象研究所では、第6期結合モデル比較計画CMIP6に向けた気象研究所地球システムモデルMRI-ESM2の開発を行っている。この中で、本研究では、従来の気候モデルが含むエアロゾル関係の問題点を克服するために、とくにブラックカーボンに関するモデル改良(変質過程、湿性沈着過程、放射過程など)を行った。モデル計算結果と地上・航空機観測との比較を行ったところ、北極域においては、従来の計算では、観測されたブラックカーボン濃度を過小評価し、季節変化を再現することができなかったのに対し、MRI-ESM2では、ブラックカーボン濃度の季節変化の再現性が大きく向上した。また従来の計算では、上部・中部対流圏中でブラックカーボン濃度を大幅に過大評価したのに対し、MRI-ESM2では、高度分布の再現性が向上した。さらに、大気上端におけるブラックカーボンの直接放射強制力を推定したところ、とくに北極域においては、従来と比較して強制力が大きく増大した。本コロキウムでは、北極域に焦点をあてつつ、これまでに実施してきたブラックカーボンのモデル研究について発表をしたい。, Polar Meteorology and Glaciology Group seminar / 気水圏コロキウム 日時:2月22日(水)10:00-10:50 場所:C301(3階セミナー室)}, title = {気象研究所地球システムモデルによるブラックカーボンのモデル研究}, year = {2017} }